サミズダート

素朴な一市民「異邦人」の政治経済雑感。兼備忘録ときどき日記。

何処が「謙虚で丁寧」なのか?膿まみれの「内閣改造」案。

f:id:samizdat1917:20180924152847p:plain

 「三悪党」揃い踏み(ANNnewsCHより)

 

  こんばんは、異邦人です。

 

当ブログを始めてから2週間が経ち、最初の頃は1日1本記事を書くなどと息巻いていた自分を自嘲気味に顧みていましたが、それでも読者の皆様がいらっしゃるお陰で既に20000PVを突破しております。記事をご覧頂いている方々をはじめ、丁寧なコメントを下さる方、ブックマークやスターを下さる方、そしてTwitterFacebookといったSNSで拡散してくださる方、本当に有難うございます。

 

それでは、早速本題に入っていこうと思います。

 

今日の記事で触れる話題はタイトルの通り「内閣改造」についてです。当ブログでも既に触れているように、首相の側近である西村官房副長官を使っての石破陣営に対する安倍陣営の露骨な恫喝や圧力、そして公開討論からの徹底的な逃避行など、ウトローが跳梁跋扈しアンフェアの嵐が吹き荒れた自民党総裁は、残念ながら安倍氏の再選に終わりました。まあ、その姑息なやり口が災いして、一部の狂信的な支持者を除いて大して評価されていないのがせめてもの救いですが、やはり無力感は否めません。

 

とはいえ、それでも安倍晋三という人間が総理総裁を続けられてしまうのが悲しいかな我が国の政治が直面している現実です。であるからこそ、その不正と汚辱に塗れた権勢に終止符を打つ為の追及と批判を欠かしてはなりません。

 

そこで、そんなアウトローとアンフェアの体現者である安倍首相が来月2日にも「内閣改造」を行うというので、どんなものかと気になって恐る恐る報道を見てみますと、その中身は決して「改造」と呼べるものではない上、安倍首相が総裁選の中で述べていたような「謙虚」や「丁寧」などとは程遠く、寧ろ公正な政治秩序と主権者たる市民に対する挑戦でしかない酷い有様でした。全く、悪い予感ばかりが当たって嫌になります。

 

まずは、安倍首相自らが国会で「熟読して」と言っていた官邸公式(?)の読売新聞の報道から。 

www.yomiuri.co.jp

 

タイトルに「茂木・河野・世耕」の三名が踊っている時点で嫌な予感しかしませんが、そこはやはり読売新聞。官邸に配慮したのかどうかは定かではありませんが、真打の麻生太郎などは記事の最後でチョロっと触れているだけというオチが待ち受けています。そして、石破氏を支持して更迭される運びとなった斎藤農相の件は触れられてさえいません。更に、この記事には誠に不思議ながら肝心の人間が1人足りていないのです。毎日新聞の記事にはしっかり載っていますが、あの加藤厚労相の名が読売新聞にはありません。

 

加藤厚労相といえば、みなし残業代制度によって長時間労働ピンハネを合法化した定額働かせ放題」との悪名も高い裁量労働制を拡大する為に、966件もの異常値の存在が明らかになった虚偽データを用いて国権の最高機関たる国会を欺いた人物です。最終的には、その虚偽データも裁量労働制の拡大も、野党や識者の徹底的な追及が功を奏して3月に撤回されたものの、その強化版とでもいうべき「高プロ(高度プロフェッショナル制度)」は、6月29日に成立してしまいました。

 

高プロ」とは、一部の労働者を労働時間規制や時間外労働に対する割増賃金の適用対象から外す制度で、つまり法定休日さえ休ませておけば、規定以上の給与を支払わず馬車馬のように働かせられるトンデモ制度であり、当然ながら野党や識者、そして過労死遺族の方々から猛反発がありましたが、最初から導入ありきの安倍首相と加藤厚労相は一顧だにしませんでした。そればかりか、過労死遺族の方々が傍聴する中で「爆笑」するという悪魔のような一面さえ見せたのです。

 

 

その決定的なシーンを収めたツイートを如何にご紹介致しますので、ご覧ください。

 

 

私はこの写真を見た時、怒りよりも寧ろ寒気を覚えました。人間、ここまで醜くなれるのだと。しかも、安倍首相は行政のトップであり、加藤厚労相は労働者の為に働くべき労働行政のトップです。それが労働者の生死に関わる法案を審議している最中に爆笑している訳ですから、形容し難い感情に支配されるのは殆ど自明と言ってもいいでしょう。守るべき市民の命をオモチャにしても面白おかしく笑える破綻した異常な権力者たち。改めて、そんな安倍政権は倒されなければならない存在との認識を新たにした瞬間です。

 

そもそも、安倍首相は総裁選に勝利した直後の記者会見で「しっかりとした土台の上に、できるだけ幅広い人材を登用していく」などと宣っていた訳ですが、この加藤厚労相は勿論のこと、最終的には「公文書改ざん」という憲政史上最悪の国家的不祥事にまで発展し、関係職員を自死にさえ追い込んだ森友学園問題を引き起こした麻生副総理兼も、安倍首相にとっては「しっかりした土台」なのでしょうか?

 

しかも、麻生大臣は公文書改ざんの後も「どの組織だって改ざんはあり得る話」などと、あろう事か刑法にも抵触する不法行為を正当化し、その他にも福田前財務次官のセクハラ問題を「セクハラ罪などという罪はない」などと矮小化し、挙句の果てには被害者に名乗り出ろなどと二次加害をしたりと、自身が高言したように信頼回復に努めるでもなく、寧ろ率先して規範を踏み躙る傍若無人ぶりは目に余るものがあります。罷免する理由こそあれ、続投させる理由は皆無です。

 

f:id:samizdat1917:20180924180152j:plain

f:id:samizdat1917:20180924215044j:plain

 

ちなみに、麻生財務相と同様に第二次安倍政権発足時から官房長官を務める菅義偉氏も、森友問題で公文書改ざんが始まった昨年2月後半に、改ざんを主導した佐川氏や「それはいくらなんでもご容赦ください」の太田氏を官邸に呼びつけており、具体的な関与が疑われています。それから、加計問題で「首相案件」文書が愛媛県から出てきた際も、安倍首相は「官邸の入館記録をチェックした」と言っていたのに、菅官房長官は「入邸記録は廃棄した」と記者に答えており、嘘を覆い隠す為の小細工がバレた経緯もあります。

 

このような信じ難い不祥事で国家行政の公正な運用を阻害して市民を裏切り続けてきた閣僚を、ただ自分の改憲案に賛成しているという要素だけで続投させる方針を崩さず、その反面、自分に「盾突いた」石破派の閣僚はしっかり更迭するという権限の私物化はさながら中世の封建国家における暗君の治世です。市民ではなく自分の欲望で国家を動かそうとする安倍首相の政治生命を、その野心を体現した改憲案もろとも葬り去らなければ民主主義の理念は日本の政治から失われてしまいます。

 

この人民主権と民主政治に対する敵意と悪意に溢れた内閣改造案を、額面通りに甘んじて受け入れてやる必要は断じてありません。寧ろ、主権者としての確固たる自覚があるのなら、そっくりそのまま「膿みの親」に熨斗をつけて返してやらなければならないのです。