サミズダート

素朴な一市民「異邦人」の政治経済雑感。兼備忘録ときどき日記。

政府は酒への責任転嫁をやめよ。

 


本日の午前に開催された政府の新型コロナ分科会において、西村経済再生大臣が突如として「酒類提供停止の徹底」を大義名分に掲げ、酒類販売事業者に対して酒を提供する飲食店との「取引停止」を要請するなどという方針を示し、物議を醸しています。

 

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そもそも、つい先日までオリンピック競技場での酒類提供を、丸川五輪相をして「ステークホルダーの存在がある」などと、全体の奉仕者たる行政人とは思えぬスポンサー企業への配慮までしてみせて容認し、酒とコロナ感染の具体的根拠を持ち合わせていない実態を自らひけらかしたような政府が、その舌の根の乾かぬ内に酒に纏わるあらゆる物をスケープゴートにして、関連事業者を締め上げようとしている姿は醜悪以外の何物でもありません。

 

まず以て、政府・厚労省の会議にすらオリンピックに起因する感染拡大は避けられないという試算が示されている中で、方やオリンピックには前のめりになってゴーサインを出し、市民のささやかな商取引には容赦なく介入して叩き潰そうとする姿勢は、もはや民主主義を原則とする国家ではなくファシストの所業です。これは、日本国憲法14条にある「法の下の平等」にも即しておらず、法の支配から見ても問題です。

 

もはや、感染拡大防止という唯一無二の目的を見失い、猛り狂って市民を権力で抑えつける懲罰的な権威主義のみが暴走している菅義偉政権に、正常な国政運営能力が微塵も備わっていないのは火を見るよりも明らかでしょう。

 

第一、飲食店が時短や休業要請、酒類提供自粛要請を唯々諾々と受け入れられなくなっているのは、さんざん行政府の無茶振りに振り回されてきたにも拘らず、協力金すら手元に届かないという裏切りを目の当たりにして、堪忍袋の緒が切れているからに他なりません。代表的な所で、協力金支給業務をパソナに丸投げして最悪の支給率を記録し続けている大阪府が良い例です。無い袖は振れない以上、営業するのは事業者にとってあまりにも当然の行動です。

 

感染拡大が手に負えなくなってから渋々緊急事態宣言を出して、同時に打ち出すべき徹底的な補償などは行わずに後は知らん顔。しかし、徴税だけは怠らない。全く学習能力も行政処理能力もない自民党政府の愚行に繰り返し付き合わされている事業者こそ、このロクでもない傲岸不遜な菅義偉政権との繋がりを断ち切りしたいと思っているのではないでしょうか。